気軽に出品できて副業をしている方などにも人気のAmazonですが、せっかく出品をしていても在庫切れを発生させてしまうと販売チャンスを大きく損失してしまいます。
ここでは、Amazonで出品をしている方に向けて在庫切れによるリスクの説明と、在庫を切れさせないためにできる対策を解説します。
Amazonに出品中の商品が在庫切れになる原因とは
Amazonに出品している際に、不注意やトラブルが重なり在庫を切らせてしまうこともあります。
ここでは在庫切れを発生させる原因を紹介します。
予想外の注文が集中した
ECサイトを運営する場合は、市場が求める需要と供給のバランスをある程度把握する必要があります。
しかし、基本的には予想通りに注文などはきませんので常にアンテナを張り巡らせる必要があります。
昔は宣伝や広告PRが主で、ある程度商品の売れ方を予測することができていました。
ですが、現在はインフルエンサーなどがPRしただけで翌日には完売するような突発的に商品が売れるケースも多々あります。
日頃から様々な媒体で自身が販売している商品関連情報に広いアンテナを張って情報収拾することが大切です。
在庫の納期管理が徹底できていなかった
商品が売れる傾向を確認して、在庫が少なくなる前に納期と照らし合わせて在庫を補充する必要があります。
この作業は当たり前の管理ですが、怠ってしまうと在庫切れを引き起こしてしまいます。
全国的に売れていて在庫がなく販売できない状況であれば仕方ありませんが、日々の管理を徹底することで防ぐことができる欠品は避けたいものです。
過去の販売情報に基づく分析ができていなかった
商品の販売傾向は前年の傾向を確認することである程度予測ができます。
季節商品であれば特に時期により販売数量の増減が発生しやすいタイミングを確認することができるでしょう。
しかし、「過去の販売傾向だけ確認すれば大丈夫」などと過信してはいけません。
油断していると在庫切れを起こす可能性は誰しもあるのです。
商品にはトレンドがあり対抗商品が出てくれば販売数量が減少し、また販売している商品に人気が出ると急に販売数量が増加します。
販売数量だけの確認ではなく、販売情報に基づく分析をする必要があります。
在庫切れにより発生するリスク
在庫切れを起こすと、様々なリスクが発生します。
出品ページが非表示になる
Amazonでは、在庫切れの商品はページを表示しても意味がないと判断されて商品ページを非表示になります。
直接商品のページの任意アドレスを入力すれば表示はされますが、そもそも在庫切れの商品を購入しようと訪れる方は少ないでしょう。
在庫切れを発生させると販売機会を大きく損失させることになるので注意しましょう。
AmazonSEOの評価が下がり検索順位に影響する
GoogleSEOと同様にAmazon内の検索順位を決めるAmazonSEOのアルゴリズムがあります。
在庫切れを発生させた場合には、注文数が下がり上記のように出品表示されなくなるので検索順位を下げることになります。
そして代わりに競合商品の販売数量が上がり、競合商品のSEO評価が上がります。
一度評価とランキングが下がると元の状態に戻すのには多くの時間を要します。
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商品広告が非表示になる
Amazonでは、広告に掲載される商品は在庫切れを起こしていない商品に限られます。
広告を辿って商品を購入しに訪問してきた方が、「在庫が無いから買えませんでした」などという状況になると消費者クレームに繋がる可能性があります。
Amazonとしても、顧客満足度を優先する企業なのでクレームを誘発する可能性がある在庫切れの商品は広告として表示しません。
カートボックスの獲得権利が消失する
Amazonのカードボックスとは、Amazonで商品を購入する際に「カートに入れる」を押す箇所を含むエリアを指します。
カートボックスに表示される条件は、一番コストが安い場合や配送を含め評価が高い出品者が対象になります。
一般的に購入者は、出品者をわざわざ選択することはなく、カートボックスにある優位な出品者から購入します。
そのためカートボックスの権利は、同じ商品を販売する出品者の中でも販売優先権になるので、最も商品を購入してもらえる場所に滞在していることにつながります。
在庫切れを起こすと優先権は自ずと消失するので大きな損失に繋がります。
Amazonで商品を在庫切れさせない対策方法
Amazonで商品を在庫切れさせない対策は、主に次のような方法です。
在庫と商品の納期管理方法を明確にする
在庫切れを起こさないためには、感覚で管理するよりも明確に数字で管理をすることで起こしにくくなります。
「在庫の数量が何個以下になったら次の注文を入れる」や「1日に何個売れる」などのような発注基準を設けているとうっかりミスを防ぐことができるでしょう。
FDAを有効活用する
FDAとは、商品の在庫から発送業務などの煩雑な作業をAmazonが代行して行ってくれるサービスです。
日々の業務が多忙で細かい在庫管理ができない場合などは、自社の配送と合わせてFDAの利用をおすすめします。
通常の受発注および配送業務をFDAにお願いすることで空き時間が生まれ、他の業務に集中することができます。
そして突発的な発注で在庫切れになりそうな場合は、自社の配送に切り替えてFDAに在庫が補填されるまで急場をしのぐなど臨機応変な対応ができます。
更に、FDAには「在庫補填通知」という機能があります。
出品者が無料で使用できるサービスですが、在庫が一定数以下になるとメールで通知してくれます。
上記で在庫の発注タイミングと保有在庫の基準を決めて利用すると効果的でしょう。
Amazonで在庫切れしそうな時はどうすれば良い?
Amazonで販売している際に、日々の管理をしているにも関わらず在庫切れを発生させてしまうことはあるでしょう。
そのような時は次のような対処をしましょう。
広告を停止させる
Amazonのスポンサープロダクトで広告の利用を行っている場合には、在庫が無くなる前に一時的に広告を停止すると販売数量が減少して時間を稼ぐことができます。
広告が効いている場合にしか効果はありませんが、もしもの時の対処方法として頭の片隅に覚えておくと良いでしょう。
販売単価を調整する
前述の広告を停止する方法でも商品の販売速度を抑えられない場合は、商品の販売価格を一時的に上げて、他の競合ユーザーよりも高くすることで販売速度を落とすことができます。
効果は非常に高くなりますが、リピートの多い商品の場合は「以前は幾らだった」などと、悪い評価コメントをする方もいるので、あまり多用しないようにする必要はあります。
商品を予約販売に切り替える
予約販売とは発売前の新商品にしか使用できないイメージもありますが、既存商品も予約販売は可能です。
あらかじめ在庫の補充計画をしており、納品時期が確定している場合は予約販売をすると良いでしょう。
予約販売にすると商品ページの評価がマイナスになることは防げるので、最悪でも予約販売できる状態までの管理は徹底しましょう。
予約販売の方法は、Amazonセラーセントラルの在庫管理の箇所から商品を選択して設定することができます。
在庫切れした場合の対処方法
Amazonで出品している際に在庫切れを起こした場合にとれる対処は「商品入荷日の設定」をすることだけです。
商品の入荷日を設定すると、在庫切れをしていても商品のページを公開し続けることができます。
しかし、全ての商品を入荷待ちにされてしまうと、Amazon側としては収益にならないので困ってしまいます。
そのため「商品入荷日の設定」を指定できる条件は次のような時と決められています。
- 30日以内に商品が入荷することが確定している場合
- 自社の物流で出荷の対応をする場合
- 取り扱いの商品カテゴリーが、本、メディア、DVD以外のものに限る
「商品入荷日の設定」で対処するのはあくまでも緊急対応となります。
在庫が無くても注文が取れるので活用したいところですが、あまり多用しているとAmazonSEOに悪影響となる可能性もあるので注意しましょう。
在庫切れ後のフォローはどのようなことをすれば良い?
不注意により在庫切れを起こしてしまった場合は、悔やんでも仕方ありませんので次に何をすれば良いか未来を考えましょう。
積極的にプロモーションをかける
欠品した分を取り戻すために、SNSなどのAmazon以外からの流入なども積極的に行い、商品ページへの流入を強化しましょう。
合わせてAmazonのプロモーションを利用して購入割引などを展開して購入数量を取り戻す努力は継続的に必要です。
AmazonSEOの評価が落ちると急に上がることはほぼないので、コツコツと通常運転時で評価が高くなるように顧客満足度なども上げましょう。
Amazonスポンサープロダクト広告でPR強化
在庫切れした商品はAmazonSEOからの評価が下がりますので、せっかく上位検索ランクに常駐していた場合も順位は急落します。
再度同じランキングに戻すには時間がかかるので、そんな時はAmazonのスポンサープロダクト広告を利用しましょう。
在庫が切れるくらいなので需要は非常に高い商品であると言えます。
そのため、広告を利用したとしても費用対効果も期待できますし、商品が継続して販売されると評価が上がることも期待できます。
Amazonで在庫切れを防ぐ保有在庫の基準
前述では在庫を切らせない方法や切らせてしまった後の対応を解説しました。
ここで一つ疑問に感じるのは保有する在庫に目安や基準などはあるのかということではないでしょうか。
季節商品などは在庫の出方が偏るので予測は困難ですが、通年販売している商品などはある程度目安があります。
保有在庫の基準は2〜3ヵ月分
季節により出荷量が異なるので一概には言えませんが、在庫としては月間の出荷数量の2ヵ月〜3ヶ月分を保有しておくと良いでしょう。
現在は中国や韓国、インドネシア、タイなどの外国へ製造を依頼して日本へ輸入している商品も多いので、発注から納品まで1ヵ月程度の納期を要する商品が沢山あります。
輸入商品は天候や製造依頼国の情勢で大きく納期が変動します。
日本のように勤勉な国では納期に忠実に働きかけますが、諸外国では休みは完全に休んだり、自国の文化を優先することもあります。
ある程度在庫を保有して余裕のある発注で管理をするとトラブルを回避できるでしょう。
イーモジャパンでのAmazon運用支援事例
食品メーカー
依頼内容 | ・Amazon広告運用 |
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依頼の背景 | 会社の方針として広告予算増額が難しい中、ROASをいかにあげていくかが課題でした。 |
課題 | ・広告運用の知見がない ・ROASが減少傾向 |
お客様の声 | 会社の予算内で広告のブラッシュアップを行って頂き、チューニング含め、細かな入札額調整や無駄な広告費が出ないように除外キーワード等を設定したことによりROASが20.3%から1,674%まで改善されたことにより広告費はそのままで売上拡大・効率の改善されました。 |
実績一覧 | https://www.eeeemo.co.jp/works/ |
まとめ
Amazonでの在庫切れによるリスクと、在庫を切らさないためにしておきたい対策を解説しました。
在庫切れを発生させてしまうと、AmazonSEOの評価を下げることになるとともに販売機会の損失を招きます。
在庫を保有していれば売れていた商品を一時的に販売できなかっただけで終われば良いですが、せっかく獲得していたカートボクス獲得権も失われてしまいます。
短期的な影響だけではなく中長期的に悪影響が出る可能性が多いにあるので、在庫を切らせないように日頃から注意して管理を取り組むように心がけましょう。