Yahoo!ショッピングで出店する際に、paypayモールと統合されたという話題や情報を耳にしたこともあるのではないでしょうか。
統合と聞くと「経営不振ではないのか?」「サービスの質が悪いので顧客が離れたのでは?」などと心配になってしまう方もいるかもしれません。
そこでここでは、paypayモールとYahoo!ショッピングが統合することで何が変わったのか、そして統合され変更されたポイントや注意点について解説します。
paypayモールとは?
「paypayモール」は「Yahoo!ショッピング」同様に、Yahoo! JAPANの資本が入ったECショッピングモールです。
2019年10月にサービスが開始されており、ストア評価や商品レビューなどユーザーからの支持が高い事が出店条件とされていました。
そのため厳選されたストアのみが出店することのできる、プレミアムなショッピングモールという位置づけでした。
paypayモールはユーザー都合の返品が可能
従来のYahoo!ショッピングでは「ユーザー都合での返品」は不可となっています。
一方で、paypayモールでは商品を受領後14日以内で、未使用かつ未開封の場合に限り商品代金を全額返金または同一商品 と交換することができます。
ユーザー側からするとこのサービスは「もし着られなかったら、使えなかったらどうしよう」という不安を解消する大きな安心材料となりました。
このサービスのお陰で、ユーザーは高価な買い物も躊躇せずに購入に踏み出す事ができたようです。
paypayモールとYahooショッピングが統合した背景
paypayモールはユーザーファーストな売り場構築が成功し、ダイソン・ヤマダ電機・FANCLなど有名なストアが次々と出店するようになり、取引高とモールの規模双方を拡大してきました。
一方で「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」の違いが一部のユーザーからは分かりにくいとの声もあり、顧客が分散して本来の強みを発揮できていない課題も浮き彫りになりました。
そのため、同じグループで顧客の取り合いをするよりも、クオリティーを上げて顧客を取り込む方針となったようです。
このような背景から「paypayモール」と「Yahooショッピング」を統合して両社の強みを最大限に活かせるECモールを新たに作り直そうとしました。
それが両モールを1つに統合した新生「Yahooショッピング」なのです。
paypayモールとYahoo!ショッピングの違いは何?
paypayモールとYahoo!ショッピングの違いは店舗数にありました。
Yahoo!ショッピングが約120万店舗あるのに対して、paypayモールは現状の店舗数は無くなったため分かりませんが、開設当初600店からスタートしました。
また前述のように、paypayモールは元々プレミアム性を重視したECモールであった為に、出店条件もYahoo!JAPANが定めた厳しい条件をクリアした店舗しか出店できませんでした。
では、具体的にpaypayモールとYahoo!ショッピングではどのような違いがあるのか以下で詳細を解説します。
paypayモールは手数料が別途発生する
Yahoo!ショッピングを利用する為の初期費用や月額利用料、売上時に発生するロイヤリティなどは基本的に無料となります。
発生する金額としては、ユーザーが商品を購入した際に発生するユーザーインセンティブと言われる「paypayボーナスまたはpaypayボーナスライト、Tポイント」が最低利率で2.5%発生します。
paypayモールに関しましては上記金額に加えてpaypayモールへの掲載料として販売価格に対して3%の費用が発生します。
paypayモールでは上記のように、Yahoo!ショッピングよりも手数料が多く発生するので送料や維持費を差し引いて利益が出せる商品をいかに売るかが重要でした。
出店基準が大きく異なる
paypayモールの出店基準は非常に高い基準であると前述しましたが、具体的な基準としてYahoo!が定める店舗としての基準を一定期間維持するとともに、年間のYahoo!ショッピング内流通総額が1.2億円以上の取引である必要があります。
流通金額以外では、出店者の中で優良店舗を表彰する「ヤフーショッピングベストストアアワード」を18年度以降に受賞した実績が必要となります。
つまり、Yahoo!ショッピングの中でも上位店のみが出店できるルールでした。
Yahoo!ショピングに一本化した事による変更点
paypayモールとYahoo!ショピングでは、サービスの質や店舗導入のしやすさなど相違点がありました。
ではpaypayモールが無くなってYahoo!ショッピングと統合されどのように変化したのでしょうか。
毎日ポイントがついてお得に
以前の Yahoo!ショッピングでは、日曜日がお得であったり、ソフトバンクユーザーに対する優遇が大きいポイント設定でした。
この為にユーザーの商品購入傾向は指定曜日に偏った購入傾向にありました。
しかし、新生Yahoo!ショッピングでは、毎日ポイントが付与されるタイミングができたため、お得になるとともに、更にpaypayで支払うとよりお得といったサービスに変わりました。
変更したことにより、偏った購入傾向が減り、欲しい日に欲しいものを購入しやすく変更されました。
出品者にとっても偏った配送作業が無くなり店舗運営のバランスが良くなったと言えます。
具体的なポイントの利率は以下の通りです。
特典名 | イベント無しの日最大 | 5のつく日最大 | |
---|---|---|---|
paypay払いで毎日最大3.5% | 3.5% | 3.5% | |
paypay残高払い特典 | 0.5% | 0.5% | |
5の付く日キャンペーン* | − | 4% | |
倍!倍!ストア購入特典* | 最大10% | 最大10% | |
ストアポイント | 1% | 1% | |
paypay ステップアップ | paypay支払い | 0.5% | 0.5% |
対象サービスの利用 | 0.5% | 0.5% | |
Yahoo!プレミアム会員 | 2% | 2% | |
合計 | 18% | 22% |
優良店の基準変更
今までの優良店基準は大まかに「売上規模が一定水準以上」である事と「ストアパフォーマンスの評価を最大化する」ことの2点をクリアすると優良ストアとみなされておりました。
統合後の優良店基準は更に厳しくなっており、次の4点が新たに基準とされています。
①ストアパフォーマンスの点数が30点満点中12点以上取得
ストアパフォーマンスとは、Yahoo!ショッピング内で優良店を判断する仕組みです。
判断項目は売上規模、ストア評価、商品レビュー、キャンセル率など複数項目ありますが、その項目の30点満点中12点以上の項目をクリアしている必要があります。
②優良店と評価する15の項目で一定水準以上の評価を取る
この項目は具体的な基準が公開されていないので、実際の水準は推測の面が多くありますが、半数以上の条件をクリアすると良いとされているようです。
③今まで注文を受けた商品に対する優良配送数の全体シェアが50%以上
Yahoo!ショッピング内での優良配送の条件は「最短お届け日が注文から2日以内」と「商品の出荷遅延率が5%未満」の2つの要件です。
この2つの要件をクリアした場合に、優良配送の認証を受けることができますが、この優良配送で取引された商品の全体シェアが50%以上である必要があります。
④前々月から前月までの1ヶ月間で①〜③の基準を90%以上満たす
前々月から前月までの1ヶ月間で、前途の①〜③の基準を90%以上満たす必要があります。
全ての条件を安定してクリアするのは非常に敷居が高く、優良店を取り続けるのは多くの企業努力が必要となっています。
ポイント付与対象が変更
統合する前のYahoo!ショッピングでは、ポイントの付与対象が「ソフトバンクユーザー」に限定されていましたが、統合後は「paypayユーザー」も追加されました。
paypayユーザーも対象になったことで、新規ユーザーの流入も見込めるので出店者にとっては大きなメリットとなりました。
販促ツール「プロモーションパッケージ」が新設
従来のYahoo!ショッピングでは、商品を拡販する販促としてPRオプションなどがありますが、統合後は新たに「プロモーションパッケージ」が販促ツールとして登場しました。
PRオプションが「販売価格×任意の設定料率(%)の費用が掛かるのに対して、プロモーションパッケージでは月々の手数料が販売価格の3%で固定の金額が発生します。
プロモーションパッケージの特徴①検索結果が優位になる
プロモーションパッケージでは「PRオプションで得られる3%分相当の検索結果順位アップ効果」とあわせて、通常のPRオプション検索結果の効果が約1.3倍に上乗せされます。
更に上位店舗で加入できるプロモーションパッケージゴールドの特典が適用されると、検索結果順位アップの効果が通常の約1.7倍の効果が得られます。
プロモーションパッケージの特徴②「STORE’s R∞」の提供
「STORE’s R∞」は一般的な販促ツールの機能だけではなく、顧客の育成や管理する為のCRMツールになります。
細かな顧客分析ができることが魅力で、Yahoo!プレミアム会員の会員比率や購買金額を始め、リピーター比率なども確認ができます。
細かい情報を収集した上で、目的にあった広告キャンペーンを作成できるので状況にあった施策ができます。
プロモーションパッケージの特徴③プレミアム統計
プレミアム統計では、Yahoo!ショッピングの購買実績をもとに詳細なデータ分析が可能です。
確認できるレポートの種類としては「適正価格・最安値価格レポート」「他のストア流出レポート」「モール内のカテゴリ別商品・製品ランキングレポート」「商品別の詳細分析レポート」「在庫なしアラートレポート」などが確認できます。
いずれもYahoo!ショッピング内で売り勝つために必要な有効データとなります。
イーモジャパンでのYahoo!ショッピング運用支援事例
日用品メーカー
依頼内容 | Yahoo!ショッピング運用代行 |
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依頼の背景 | 出店手数料が無料になった2020年に開店しましたが、社内で詳しい担当がいない中、月商は横ばいでした。主力商品のおかげで50万円の平均月商を保ってたが、競合店が増えたため売上が減少し本腰をいれたく運用代行の会社を探しておりました。 |
課題 | 他モールでは月商200万円ほどの売上があったので、Yahoo!ショッピングでも売上が伸びると期待しましたが、1年くらいは月商30万円を超えることができずに苦戦しました。 |
お客様の声 | 弊社が取り扱っている商品はモールによって客層や売れる商品も違ってくるため、販売チャネルは多く持つことがイーモさんのおかげで実感しました。 |
実績一覧 | https://www.eeeemo.co.jp/lp-2#zisseki |
まとめ
paypayモールとYahoo!ショッピングが統合した背景や、統合により変わった点など解説しました。
paypayモールとYahoo!ショッピングが統合されたことで、多くの変更が起きているのでシステム的には少しややこしく感じるかもしれません。
しかし今回の変更点では、店舗運営に有効な情報などが多く入手できるサービスが多追加されていますので有効利用すれば競合相手に大きな差をつけることができるようになります。
また新生Yahoo!ショッピングでは、ポイント入手に優遇されていたソフトバンクユーザーと併せてpaypayユーザーも対象になりました。
これにより多くのユーザーがショップ内に訪れるチャンスが増えたことになります。
新たなサービスとして新設されたプロモーションパッケージで、対象毎に細かい情報を入手して販促をかけることで店舗運営がより効率的にできるようになるでしょう。