Amazonで出店すると決めたら、商品ページを作るよりもまず知っておきたいのが「Amazon SEO」です。
「まずは商品ページを作って売り出して、売れなかったら対策を考えれば良い」と思われがちですが、先にAmazonSEOについて知っておくだけでも損はありません。
むしろ商品ページの写真に入れる文言や商品ページのタイトル変更などの修正が減りますので、メリットの方が多いです。
この記事では「そもそもAmazonSEOとは?」「優先して行うAmazonSEO対策」「余裕があればやっておきたいAmazonSEO対策」を解説していきます。
Amazon SEO(Amazon検索エンジン最適化)とは?
まずSEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略です。
検索エンジン最適化とは、GoogleやAmazon内での検索窓にキーワードを入力して表示されるサイトや商品ページの順番を決めている「検索エンジン」の傾向を分析し、自社のウェブサイトや商品ページを検索結果の上位に表示されるよう施策することを指します。
例えばあなたが「ビジネス用に使える女性向けのリュックサック」を販売しているとします。
ターゲットが入力するであろうキーワードやリュックに関連するキーワード、例えば「仕事用 リュック レディース」というキーワードで検索した場合に、自社の商品ページが検索結果の上位にくるように対策を行うのです。
AmazonのSEOは、A10と呼ばれるアルゴリズム(算出方法)があるとされています。
現在ではこのA10の項目に沿って検索上位に表示される商品のランキングが決まるのです。
このA10の具体的な内容はAmazon公式からは公表されていませんが、このアルゴリズムを検証している多くのアナリストによって、ある程度の項目が解明されつつあります。
SEO対策はやり始めたらキリがないので、まずは後述する「優先して行うAmazonSEO対策」を行いましょう。
そして商品ページを公開した後、「余裕があればやっておきたいAmazonSEO対策」を進めてください。
優先して行うAmazonSEO 4つの対策
商品ページを作ると同時に行なっておきたい対策が、以下の4つです。
- 自社の商品のターゲットにあったキーワードを商品名や写真のテキストに使う
- 商品名や写真のテキストに関連キーワードを盛り込む
- 適切な価格設定をする
- 在庫を切らさない
順に解説していきます。
ターゲットにあったキーワードを商品名や写真のテキストに使う
先ほどの「仕事用 リュック レディース」の例でいうと、商品名には「リュック 仕事用 ビジネスリュック レディース 女性用リュック」というキーワードを入れ、商品詳細説明の文章や画像にも記載しましょう。
特に商品画像は「リュックが写っているんだから書かなくてもわかるでしょう」と思われるかもしれませんが、すでにGoogleやYouTubeでは画像に入っているキーワードも分析されています。
現在のところAmazonではGoogleのように画像からキーワードを拾ってはいませんが、いずれなる可能性は否定できません。
そうなった際に商品画像を修正する手間が省けますので、ぜひ意識してキーワードを入れてみてください。
ただしAmazonではサムネイル写真や商品説明写真の1枚目には文字が入れられないので、2枚目以降(できれば2枚目)に重要なキーワードを入れましょう。
商品名や写真のテキストに関連キーワードを盛り込む
「リュック ビジネスバッグ」「女性用 レディース」など、商品自体から派生するキーワードは思いつきやすいのですが、「商品に関連したキーワード」も商品名や説明文、商品画像に盛り込みましょう。
具体的に、「リュック 女性」の「商品に関連したキーワード」は「小さめ」「軽量」「シンプル」などが挙げられます。
これはAmazonの検索窓に「サジェスト(自動で提案される関連キーワード)」としても表れます。
また関連キーワードを探すツールもありますので、そちらを利用されるのもおすすめです。
「ラッコキーワード」はAmazon・Google・Youtubeなど各サービスに合わせてサジェストキーワードを検索できます。
無料のプランから選べますので、ぜひ活用してみてください。
適切な価格設定をする
以前Amazonでは、相場よりも値段を下げて売上をあげることで、検索上位に表示することが可能でした。
しかしそれを問題視したAmazonが新しいアルゴリズムに防止策を組み込むことで、現在では相場より高くても低くても、一定のラインを超えると検索上位に表示されなくなっています。
一定のラインとなる目安は示されていませんが、適正な金額にしていれば問題はないかと思います。
Amazonの在庫を切らさない
商品ページをAmazonで公開したら、Amazonで出品している商品が期間限定でない限り、在庫を切らさないように気をつけましょう。
その理由は、Amazonでは在庫切れするとAmazonSEO的にマイナスになるリスクがあるからです。
Amazonの在庫を切らしてしまった際の対策とそのリスクについては、以下の記事をご覧ください。
以上4つの「優先して行うAmazonSEO対策」を行い、Amazon出品で良いスタートダッシュを決めましょう。
余裕があればやっておきたいAmazonSEO 3つの対策
「優先して行うAmazonSEO 4つの対策」を施して商品ページを公開し、少しずつ商品が売れてきたら、以下の追加対策を行い、さらに検索順位と売上アップを狙いましょう。
- Amazonの広告を利用して露出を増やす
- カスタマーレビューで質の良いレビューを集める
- CVR(コンバージョン率)を高める
1つ1つ解説していきます。
Amazonの広告を利用して露出を増やす
当然ですが、Amazonで商品ページを公開してすぐに検索上位に表示されることはありません。
しかしAmazonの検索結果の2ページ目以降を閲覧するユーザーは、全体のわずか30%しかいないと言われています。
(Amazon Adsの公式YouTube「[JP]AMS(Amazonマーケティングサービス)101入門編」より)
つまり検索結果の1ページ目に表示されなければ、ユーザーに自社の商品ページを見てもらうことができないと言っても過言ではありません。
出品したての時に利用したいのが、Amazon内の広告です。
Amazonの広告には以下の4つがあります。
- スポンサープロダクト広告
- スポンサーブランド広告
- スポンサーディスプレイ広告
- ストア
この中でも特に、検索結果の1位よりも上位に表示できるのが「スポンサープロダクト広告」です。
Amazon内に広告を出すことで、商品をすばやくユーザーに認知してもらうことができます。
カスタマーレビューで質の良いレビューを集める
AmazonSEOにおいて、カスタマーレビュー(商品レビュー)も非常に大きなウェイトを占めます。
ユーザー視点から考えても、星の数だけでなくレビューの内容も非常に重要です。
言わずもがな、レビューの星の数の平均点が高い方がSEOの順位もCVRも高くなります。
一方レビューの平均点がそこまで高くなくても、レビューの内容によってはCVRがそこまで落ちないこともあります。
いずれにせよレビューを多く集めて、レビューで指摘されたマイナスの部分については改善していきましょう。
まだ出品したばかりでレビューがない場合は、レビューを促すクーポンやキャンペーンを実施してレビューを集めてみてください。
SEO対策をしても検索順位が上がらない、CVRが低いままといった場合は、「狙うユーザー層やキーワード選定を間違っている」もしくは、厳しいことをいうと「商品自体に魅力がない」ことも考えられます。
その際は商品を改良する、SEOで狙うターゲット層やキーワードを見直すなどの改善を行いましょう。
CVR(コンバージョン率)を高める
実はAmazonSEOのアルゴリズム(A10)には「直近の売上」という項目があります。
もちろんAmazonは営利団体なので、売上がない商品を検索結果の上位に表示させてはAmazonは儲かりませんし、ユーザーにとっても不利益にしかなりません。
売上が上がっているほど検索上位に上がりやすくなります。
「直近」がどれほどの期間を指すのかは明示されていませんが、継続して売上をあげるためには「CVR」を改善するのが近道です。
CVR(コンバージョン レート)とは、検索結果ページなどから自社の商品ページをみたユーザーの中で、購入に至った(CV:コンバージョン)人の割合を指します。
このCVRの数値を改善することができれば売上も良くなっていきます。
CVRを上げるためにチェックする項目は以下の3つです。
チェックポイント
・「商品紹介コンテンツ」を設定する
・FBAを利用する、もしくは当日出荷を心がける
・決済方法を増やす
CVRを改善する方法については以下の記事で細かく解説していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
Amazonで商品を売りたい時は、商品ページを作るのと並行してAmazonのSEO対策も行なってください。
<優先して行うSEO対策>
- 自社の商品のターゲットにあったキーワードを商品名や写真のテキストに使う
- 商品名や写真のテキストに関連キーワードを盛り込む
- 適切な価格設定をする
- 在庫を切らさないようにする
<余裕ができたら行うSEO対策>
- 広告を利用して露出を増やす
- 質の良いレビューを集める
- CVR(コンバージョン率)を高める
以上の対策を実行して、Amazon内での検索順位を上げ、売上をつくっていきましょう。