Amazonで商品販売をする際には、アカウントの申請から販売するまで様々な審査が必要になることがあります。
事前に確認して準備しておかないと、思った以上に時間がかかり販売したい時期に間に合わないこともあります。
ここではAmazonの出店審査や出品審査など各種審査の内容や、審査に必要なものを解説します。
Amazonで商品を販売する際に必要な審査は3種類
Amazonで商品販売をする際には様々な審査が必要になります。
主な審査は次の3種類です。
- 出店審査
- 出品審査
- アカウント審査
楽天市場などの審査は非常に厳しく審査に落ちる方も多くいますが、Amazonでは比較的通りやすくなっています。
しかし、油断していると残念な結果になることもあるので注意しましょう。
上記の審査は販売する上で必ず必要になるので、いざ販売を開始する場面で審査が間に合わなくて慌てることのないように事前に確認しましょう。
Amazonへ商品を出品する為にはまず出店審査をする
Amazonで出店する際にまず必要なのは出店審査です。
出店する出品者が事業主として適正かどうかを確認します。
Amazonは楽天市場やYahoo!ショッピングなどと同様に、日本で最大手のECショッピングモールです。
よってAmazon内の品位を落とすような出品者は好ましくありません。
出店審査で社会的に問題のない出品者であるかを確認します。
出店審査に必要な書類
出店審査に必要な書類は以下の通りです。
- 本人確認書類
- 取引明細書
- 登記簿謄本もしくはアカウント所持者の情報
本人確認書類
本人確認書類では運転免許証もしくはパスポートが必要になります。
マイナンバーカードやその他の顔写真入りの書類は本人確認証明書として使用できません。
取引明細書
出店審査には、過去出品者が取引を行った明細書の提出が必要になります。
これは今後Amazonに手数料を支払いながら商品を販売する事になる出品者が、Amazonに対して手数料を遅延なく支払う能力があることを証明・確認するために必要です。
取引明細書で使用できる明細は過去180日以内に発行された以下の資料になります。
- クレジットカードの利用明細書
- 公共料金の支払い明細書
- インターネットバンクの取引明細書
上記資料をデータ化して提出しますが、その際に氏名、住所、資料元情報、明細発行日が分かる画像にして提出します。
登記簿謄本もしくはアカウント所持者の情報
Amazonに出店するのが法人であるか個人であるかで、提出する資料が異なります。
法人で出店する際には、法人番号などの記載が必要なので登記簿謄本が必要になります。
個人であれば免許証やパスポートで個人情報を確認できるので他の資料は必要ありません。
出店審査にかかる期間
Amazonへの出店審査に要する期間は「2営業日」とされており最長でも3日となります。
楽天市場などでは出店審査が最短でも2週間程度かかり、長い方では3ヶ月かかったなどのケースもあるのでAmazonは審査が早いと言えます。
審査通過後の注意点
Amazonの出店審査に無事通過すると契約成立となります。
契約成立より1ヶ月以内に開店審査の申請および初回出品審査を行う決まりがあるので、審査に通過してこの申請を忘却していると契約終了となり次のステップに進めなくなるので注意が必要です。
出店審査をする際には、次の行程の準備も行った上で取り進めると良いでしょう。
商品を出品する際に必要なのは出品審査
Amazonの出店審査に無事通過すると全ての商品を販売できるようになるのではありません。
一部の商品カテゴリーの商品は、そのカテゴリーごとに許可を得なくては販売できないものもあります。
出品許可が必要な商品カテゴリー
出品許可が必要な商品のカテゴリーは次のようなものがあります。
商品カテゴリー | 商品タイプ |
---|---|
本 | 本やカレンダー、雑誌、その他の出版物 |
CD・レコード | CD、カセットテープ、レコード、その他の録音された音楽 |
ビデオ・DVD | 映画、テレビ番組、MV等 |
エレクトロニクス | TV、CDプレーヤー、カーオーディオ、GPS等 |
カメラ | カメラ、ビデオカメラ、カメラに使用する望遠鏡等 |
パソコン・周辺機器 | デスクトップ、ノートPC、保存ドライブ、保存ストレージ |
Amazonデバイス用アクセサリ | Amazonデバイス用アクセサリ |
ホーム | 家具、インテリア、キッチン |
ホームアプライアンス | 小型白物家電 |
大型家電 | キッチン家電、冷蔵庫、キッチンパーツ、アクセサリ |
楽器 | ギター、キーボード、バンド&オーケストラ、録音機器、楽器周辺機器 |
文房具、オフィス用品 | オフィス用品、オフィス電子機器 |
PCソフト | 業務用、教育メディア、ユーティリティ関連、セキュリティ、子供向けソフトウェア |
TVゲーム | ゲーム機、ゲーム機用ゲーム、PC用ゲームとその周辺機器 |
DIY・工具 | 電動工具、機械、作業ツール、照明器具、キッチン/バス設備 |
カー&バイク用品 | パーツ、タイヤ、ツール/装備、アクセサリ |
スポーツ&アウトドア | アウトドア用品、スポーツウェア、自転車 |
おもちゃ&ホビー | 幼児・未就学児用玩具、知育用玩具、フィギュア、ボードゲーム、手芸、ホビー用品 |
ベビー&マタニティ | 出産、乳幼児ケア用品、哺乳瓶 |
ペット用品 | ペットフード、ペット用品(犬、猫、小動物) |
ドラッグストア | 救急用品、サプリメント |
ビューティ | 香水、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、バス用品 |
食品、飲料 | 飲料、朝食、缶詰、スナック、肉、魚介、チョコレート、デザート、ギフトセット |
ジュエリー | イヤリング、ネックレス、指輪、ブレスレット |
腕時計 | すべての腕時計の商品タイプ |
服、ファッション小物 | 服、ファッション小物 |
シューズ、バッグ | シューズ、バッグ |
前述のようなカテゴリーでは、商品の安全性を証明するために事前に書類申請が必要になります。
出品可能な商品のコンディションも商品タイプによって規制されているので、詳細は「商品カテゴリーの概要」から確認することができます。
また、リコール対象の商品はカテゴリーに関係なく販売することができないので、出品の際は事前に確認して販売すると安心です。
ブランドによって規制がかかる商品もある
Amazonのマーケットプレイスでは、顧客の信頼を失わないように小売業者の商品販売に関して一定の規制を設けています。
簡単に説明すると、出どころが明確ではない商品が販売できないシステムになります。
ブランドメーカーが望まない仕入れ方法で入手した商品や、そもそも本物ではない模造品を本物のように販売されるとAmazonの信頼とともに商品のブランドイメージも失墜し兼ねません。
具体的に出品制限をしているブランドの例は次のようになります。
項目 | メーカー |
---|---|
家電ブランド | Apple、キャノン、カシオ、エプソン、フィリックス、マイクロソフト、ソニー等 |
ホビー、おもちゃブランド | バンダイ、レゴ、セガトイズ、タカラトミー等 |
アパレルブランド | アディダス、クロエ、ダンヒル、グッチ、フェンディ、ルイ・ヴィトン等 |
出品自体を禁止されている商品に注意
Amazonでは出品するのに規制がある商品の他に、出品することを禁止されている商品もあります。
禁止されている商品をもし出品してしまった場合には、販売停止などのペナルティが課せられます。
ペナルティを課せられると、アカウントの評価を下げることにつながるので不用意な間違いは避けたいものです。
出品を禁止されている商品は数多くあるのでその一例を下記にてご紹介します。
項目 | 詳細例 |
---|---|
酒類 | ・酒税法やその他の法令、省庁のガイドラインに適合しない酒類 ・ワインのカテゴリー以外で出品される酒類、ノンアルコール飲料、酒類またはノンアルコール飲料を含むギフトセット ・酒類販売免許を得ていない者による酒類の出品 |
自動車 | ・騒音防止基準に不適合の消音器 ・騒音低減機構を容易に取り外せる消音器 ・道路運送車両の保安基準に適合しない警音器 ・スピードリミッター解除装置 ・保安基準および安全基準外のウィング ・車検不適合の機能部品や不正改造車両 ・登録名義に不備のある車両 ・信号機に影響を与える製品 ・適法な無線通信をブロックし、妨害、または干渉させる製品 ・走行距離計を改ざんする製品 ・運転免許証およびその他の官公庁発行の身分証明書 ・車両識別番号票 ・国内法令に遵守していない交換部品、カスタムパーツ、追加部品、ガソリン携行缶 |
動物、動物を材料とする商品 | ・ペット、家畜または海洋哺乳類などの生きている生物の大半 ・野生生物を原材料とする違法商品 ・病害虫に指定された昆虫、その他の生物 ・クマ、マウンテンライオンの一部、またはそれらを材料とする商品 ・ネコ、イヌの一部、またはそれらを材料とする商品 ・クジラ、イルカの一部、またはそれらを材料とする商品 ・特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律に定められている外来生物 ・鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律により販売が禁止されている商品 ・ワクチン ・サメ、イルカ、クジラ又は小型イルカの一部又はそれらを材料に含む商品 |
医薬部外品、化粧品 | ・未承認、無承認無許可医薬部外品 ・化粧品 ・尿添加物、合成尿などの薬物検査を無効・妨害するための商品 ・不純物または不正な表示がなされている商品 ・法令等により広告・販売等が禁止される規制物質を含む商品 ・使用期限切れの商品 ・開封または使用済み商品 ・「試供品」「小売販売不可」の商品、または「試供品」「小売販売不可」などのラベルが貼られている商品 ・リコール対象商品や安全の注意が報告されている商品 ・差押え、領置、押収等の対象となる商品 ・法令により所持が禁止されている大麻由来製品 ・規制物質に類似した作用を及ぼす物質 |
栄養補助食品 | ・違法薬物、危険ドラッグ等 ・未承認医薬品 ・海外で製造・販売されている医薬品等で、日本国内に必要な承認等を受けていない医薬品等 ・税関で輸入が規制されているもの ・厚生労働省、その他の規制当局により広告、使用、販売等が許可されていない商品 ・法令等により広告・販売等が禁止される規制物質を含む商品 ・購入者へ着荷した時点で賞味、使用、消費期限切れとなる商品 ・開封または使用済みの商品 ・法令等で要求される表示がない商品 ・規制物質、処方箋薬、または承認されていない未承認医薬品または不純物が混入したサプリメントとして、厚生労働省や規制当局に指摘された物質の効果を模倣する方法で市販されている商品 ・処方箋医薬品または処方箋医薬品ブランドを模倣して販売する商品 ・鹿の角の成分が含まれている商品 ・甲状腺、副腎エキス、甲状腺エキスを含む商品 ・病名等をキーワードに登録して出品されるサプリメント ・厚生労働省、その他の規制当局の警告書によって指摘される商品 |
通貨、硬貨、現金同等品 | ・現在有効な法定通貨 ・マネーロンダリング、その他不適切な取引に利用される懸念のある商品 ・為替、郵便為替、切手、トラベラーズチェック、その他の現金同等物 ・紙幣、硬貨、記念貨幣およびあらゆる現金同等物の偽造品 ・偽造品を製造する機器 ・ビットコイン ・株式、債券、その他あらゆる有価証券 ・金、銀、プラチナの地金 |
出品審査に必要な3大条件
Amazonで出品販売するカテゴリーによっては事前に審査に通過しないと販売できないものがあります。
審査に通過するためには必要な条件があるので、その条件をクリアしている必要があります。
出品審査通過条件①大口出品者での契約が必須
Amazonで出品する際に「大口出品」と「小口出品」のいずれかにて選定し出品します。
出品審査を申請するには、大口出品者であることが条件なので小口出品者はそもそも審査申し込みができないようになっています。
【合わせて読みたい記事】
Amazonでの小口出品と大口出品の違いとは?
出品審査通過条件②特定商法取引法に基づく表記がある
特定商法取引法に基づく表記とは、販売責任者の氏名・住所・連絡先のことでこれを正しく表記している必要があります。
法人であれば法人の詳細、個人であれば個人の詳細を記載します。
この表記は基本的な項目なので、Amazonで出品したいと考えている方はすでに記載していると思いますので、実際の詳細と相違がないか確認しておきましょう。
出品審査通過条件③商品購入の請求書提示
審査通過条件で一番大事な項目となるのが、仕入れ先の明確化です。
模造品や粗悪品と区別するためにも、どこで購入したか分かる資料が必須です。
ここで必要なのは購入する先からの請求書になります。
領収書や納品書等での申請はできないので気をつけましょう。
出品審査にかかる期間
出品審査にかかる期間は商品により異なります。
Amazonセラーセントラルから、商品登録項目で「出品許可申請」のボタンを押すことで審査となりますが、商品によってはワンクリックで許可となりすぐに販売できる商品もあります。
ブランドによっては敷居が非常に高く、請求書の提出を求められるケースがあります。
審査期間には基準がないので、思った以上に時間がかかる場合や時間を要した上でNG判断となる場合もあります。
審査通過の基準はありませんが、以下の項目を満たすように心がける必要があります。
- 商品の注文不良率が1%未満である
- 出荷前のキャンセル率が2.0〜2.5%未満である
- 商品出荷遅延率が3〜4%未満である
- 商品追跡可能率が95%以上である
適正な販売をしているかを確認するアカウント審査
Amazonでは、前述のように出店時にアカウントを作成するために審査が行われます。
無事審査を終えて販売を開始してからも定期的に審査があります。
急に通知が来るので、何か販売する手際に不備があったかと戸惑ってしまいそうになりますが、指摘や確認事項を満たせば通過できる審査なので心配する必要はありません。
アカウント審査される理由
健全な運営をしていても気づかないうちに不備を起こしていることもあります。
アカウントが急に審査の対象になる理由としては次のようなことが挙げられます。
- 出品者の取引限度額超過
- 商品販売権利者から偽物であると指摘を受けた
出品者の取引限度額超過
Amazonで商品を販売する際には、あらかじめ設定された月間の取引限度金額に沿って販売をする必要があります。
取引限度額を確認できれば良いのですが、取引限度額の金額はAmazonが独自に決めているので確認することができません。
よって限度額超過の連絡とともに対処しなくてはいけません。
そもそも限度額など設定がなくても良いのではと考えてしまいがちですが、購入者を保護する名目として管理されています。
販売者の実績と購入者からの評価に大きな差があるのであれば、商品の適正な販売に矛盾がある可能性があります。
商品販売権利者から偽物であると指摘を受けた
商品の販売権利者やメーカーから偽物であると疑われた場合や過度の安価で商品を販売した場合などはAmazonに通知され指摘を受ける場合があります。
特にブランド品などは、仕入れルートが複数存在するので偽物と知らずに販売するケースもあります。
故意ではなくても、偽物の販売は禁止されているので指摘を受けたら真摯に対応するしかありません。
自分の仕入れルートは間違っていないと過信して審査通知を無視していると、Amazonのアカウントが停止されることにもなりかねませんので注意が必要です。
他のアカウント審査される理由
上記以外にもアカウント審査の対象になる場合があります。
例えば販売禁止商品を誤って出品した場合や、商品に関する記載情報が不足しているなどの軽度の場合も指摘が入ります。
新規で参入したばかりの初心者セラーの場合には、不注意で勧告されるケースが多いので出品前に複数回チェックすると安心です。
アカウント審査に対する処置方法
アカウント審査の指摘が入ると対処しなくてはならない事項は次の2点です。
- Amazonからの指摘事項に対する情報提供
- 余分に売上金を保留しておかない
Amazonからの指摘事項に対する情報提供
アカウント審査で問題になった事項はメールで通知がきます。
問題があった内容を確認して、その指摘内容に従いAmazonに情報を提供します。
審査は通常30日程度で終わりますが、Amazonの購入者に長期的に影響を与える可能性がある場合には、その予防措置として出品者の出品権限をAmazonが制限することができるとされているのでアカウント審査が発生したら一時的に出品できなくなる可能性があると認識しておきましょう。
余分に売上金を保留しておかない
出店後にアカウント審査があると、新規の注文が保留中になってしまいます。
そればかりかAmazonが一時的に預かっている出品者の売上金が、アカウント審査中には適用される法律およびポリシーに基づいて出金が一時的に制限されます。
副業で出品されている方などは、本業の収入があるのである程度生活面は問題ないかもしれません。
しかし、専業でAmazonを利用して販売活動を行っている場合には、出金できないと生活に関わります。
よって万が一のためにも売上金はある程度頻度を設けて出金すると、もしもの時に困ることがないでしょう。
アカウント審査を早めるためにできること
基本的にアカウント審査が開始されると、終了までに約30日前後の期間を覚悟する必要があります。
しかし、次のような情報をあらかじめ審査担当に提供することで審査の対応を早めることができる可能性があります。
- Amazonで出品を開始した時期、または出品しているトータル期間
- 在庫の調達元の開示(仕入先情報提供)
- Amazonでの月間予想売上提示
- 各商品出荷可否のステータス
- 販売元の住所、連絡先
- 直近に出荷された商品の追跡情報
- 納税者番号
当該情報を確認して審査担当に連絡することで、審査担当が情報を吸い出す時間と手間を省くことができます。
担当者への連絡は出品者アカウントの顧客満足度数のページ内「通知」から返信することができます。
アカウント審査が始まると対応できることはほとんどないので、少しでもできる努力は行ってみましょう。
イーモジャパンでのAmazon運用支援事例
食品メーカー
依頼内容 | ・Amazon広告運用 |
---|---|
依頼の背景 | 会社の方針として広告予算増額が難しい中、ROASをいかにあげていくかが課題でした。 |
課題 | ・広告運用の知見がない ・ROASが減少傾向 |
お客様の声 | 会社の予算内で広告のブラッシュアップを行って頂き、チューニング含め、細かな入札額調整や無駄な広告費が出ないように除外キーワード等を設定したことによりROASが20.3%から1,674%まで改善されたことにより広告費はそのままで売上拡大・効率の改善されました。 |
実績一覧 | https://www.eeeemo.co.jp/works/ |
まとめ
Amazonで商品を販売するのに必要な出店審査・出品審査・アカウント審査について解説しました。
Amazonでは、商品を購入してくれる方に対しての信頼性を重要視するので様々な審査をクリアする必要があります。
そして一度審査をクリアしたとしても、継続的にサービスの質が低下していないかを確認していきます。
日頃から適正な販売をおこなっているのであれば突然の審査などは起こりにくいはずなので、購入者の立場になり商品販売をするとトラブルもなく安心した取引ができるでしょう。