みなさん、ECサイト制作に掛かる費用の一部に補助金が活用できる可能性があるということをご存じですか?
「IT導入補助金」という、中小企業や小規模事業主の生産性UPのためにITツールを導入する企業を支援する目的で支給される補助金があります。
補助金申請の審査に通過すれば最大450万円まで補助してもらえるありがたい制度なので、しっかりと理解して活用するのがおすすめです。
ここでは、「IT導入補助金とは何か」「IT導入補助金の5つの枠」などIT導入補助金の基礎知識や「IT導入補助金の申請方法」をご紹介します。
2023年度から変わった応募枠や申請条件として加わった「みらデジ」についてもご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
IT導入補助金とは何か?
「IT導入補助金」とは、中小企業・小規模事業主がITツール導入する際に費用の一部を補助してくれる制度です。
経済産業省による補助事業の一つで、中小企業や小規模事業主のITツール導入を促すことを目的としています。
企業がECサイトを導入するための資金もこの補助金の申請対象となります。
ECサイトとは、インターネットを通じてサービス・モノを売り買いするシステムのことです。
なぜITツール導入を促進しているのか?
ITツールを導入することによって、申請した企業が「事業拡大」「生産性向上」「業務小効率化」を図るためです。
対象となるITツールとは
IT導入補助金の対象となるには、「IT導入支援事業者」に依頼して作成してもらったITツールである必要があります。
IT導入支援業者以外が作成したITツールには、補助金が支払われないので注意が必要です。
IT導入支援事業者とは
補助金を申請したい企業がITツールを作成するときにサポートを行う事業者のことです。
IT導入事務局が認めた業者のみがIT導入支援事業者として認められています。
IT導入支援業者によるサポート内容は主に以下の通りです。
- 導入説明
- 申請手続き
- ITツールについての説明
- 補助金の交付申請
- 実績報告
など
対象の業種とは
IT導入補助金の対象は、中小企業もしくは小規模事業主で以下の業種です。
- 飲食業
- 宿泊業
- 卸売業
- 小売業
- 運輸業
- サービス業
- 製造業
- 建築業
- 医療
- 介護
上の業種の中で、対象の定義に含まれている事業主がIT導入補助金の対象となります。
対象の定義
業種によって資本金・従業員数などが対象となるかどうかが違います。
中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)
資本金・従業員規模の一方が、下記以下の場合対象(個人事業を含む)
業種・組織形態 | 資本金(資本の額又は 出資の総額) | 従業員(常勤) |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウェア行、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
その他の法人
業種・組織形態 | 資本金(資本の額又は 出資の総額) | 従業員(常勤) |
---|---|---|
医療法人、社会福祉法人、学校法人 | - | 300人 |
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 | - | 100人 |
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特別の法律によって設立された組合またはその連合会 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特定非営利活動法人 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
小規模事業者
業種分類 | 従業員(常勤) |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
上記、公募要領に当てはまる事業者はIT導入補助金の対象となります。
業種によって資本金や従業員数が違うので確認しておきましょう。
次に、IT導入補助金の5つの申請枠についてご説明します。
IT導入補助金には申請枠が5つあり、その枠によって補助金の上限も変わってくるので、しっかり押さえておきましょう。
【2023年度版】IT導入補助金の申請枠5つとは
IT導入補助金 | 類型 | 概要 | 補助額 |
---|---|---|---|
通常枠 | A | 経営力をUPさせるためにITツールを導入する 生産性をUPさせるために業務プロセスが1つ以上 | 5~150万円未満 |
通常枠 | B | 経営力をUPさせるためにITツールを導入する 生産性をUPさせるために業務プロセスが4つ以上 | 150~450万円以下 |
デジタル化基盤導入 | - | 対象となるITツールを導入する 「ECサイト制作」「キャッシュレス決済システム」含まれる | ~350万円 |
複数社連携IT導入 | - | 複数社が連携してITツールを導入し生産向上を図る 複数の事業者に対してのECサイト分析費用など | 3,200万円以下 |
商流一括インボイス対応 | - | 生産性向上のためにインボイス制度促進を目指しITツールを導入する インボイス制度対応の受注・発注機能を有するソフトウェア費用など | ~350万円 |
セキュリティ対策推進 | - | サイバーアクシデントによる被害を低減させることを目的としてITツールを導入する | 5~100万円 |
上記のように5つの申請枠があります。
ちなみに、ECサイト制作ではデジタル化基盤導入枠と複数社連携IT導入枠の対象に含まれています。
では、これから5つの枠を一つずつご紹介していきます。
通常枠
項目 | A | B |
---|---|---|
補助額 | 5~150万円未満 | 150~450万円以下 |
補助率 | 50%以内 | |
プロセス数 | 1以上 | 4以上 |
賃上げ目標 | 加点 | 必須 |
補助対象 | クラウド利用料(最大2年分)・ソフトウェア購入費など |
通常枠の中にA・Bの2つの類型があります。
業務プロセスの効率化を図るという目的でITツールを導入した際の導入費用であることが条件で、補助対象はクラウド利用料・ソフトウェア購入費などです。
働き方改革・インボイス制度導入・賃上げなどを目指す中小企業を支援することが目的でスタートしました。
通常枠設置の目的
下記のような目標を目指してITツールを導入し、生産性向上を図る中小企業・小規模事業者を支援する目的でスタートしました。
- 働き方改革
- インボイス制度導入
- 保険適用の拡大
など
補助条件
A類型
生産向上のためのITツールを使った業務プロセスが1つ以上で、補助金が5~150万円以下・補助率が経費の50%以内です。
B類型
生産向上のためのITツールを使った業務プロセスが4つ以上で、補助金が150~450万円以下補助率が経費の50%以内です。
補助対象となる費用(例)
- ソフトウェア導入費
- クラウド利用料(最大2年)
- コンサルティング費用(導入時)
- ITツール保守サポート費
など
2023年からの変化とは
- A類型の下限額が30万円→5万円に引き下げられた
- A・B類型のクラウド利用料が1年→2年へ延長した
デジタル化基盤導入枠
ECサイト導入で活用できるのはこの枠です。
項目 | デジタル化基盤導入枠 | デジタル化基盤導入枠 |
---|---|---|
補助額 | ~350万円 | ~350万円 |
補助額 | ~50万円以下 | 50~350万円 |
補助額 | 1以上 | 4以上 |
機能要件 | 1機能以上 | 2機能以上 |
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 |
賃上げ目標 | なし | なし |
対象ソフトウェア | ECソフト・会計ソフト・発注ソフト | ECソフト・会計ソフト・発注ソフト |
補助対象 | クラウド利用料(最大2年分)・ソフトウェア購入費など | クラウド利用料(最大2年分)・ソフトウェア購入費など |
+
ハードウェア購入費
PC・タブレット・プリンターなど | 補助上限10万円・補助率50%以内 |
---|---|
レジ・発券機など | 補助上限20万円・補助率50%以内 |
デジタル化基盤導入枠は、ITツール(会計ソフト・ECサイト・発注ソフト・決済ソフト)を導入するための費用を補助してもらう枠です。
このようなITツール導入のために必要なPC・タブレット・スキャナーなどの購入費・クラウドサービス利用料なども補助対象に含まれます。
補助対象となる費用(例)
- キャッシュレス決済システム
- 会計ソフト
- 受注ソフト
- 決済ソフト
- ECサイト
- PC
- タブレット
- スキャナー
- レジ
- 発券機
など
ITツール導入のために必要な機器等の費用も補助対象になっているところがポイントです。
では、ECサイト制作で申請条件に当てはまるためにはどのような条件があるのでしょうか。
申請対象となるための条件をご紹介します。
ECサイト作成で補助対象になる条件
ECサイト制作で補助対象とするためにはいくつかの条件があります。
- 中小企業・小規模事業者のどちらかであること
- 申請時に日本で登録された法人、もしくは個人であること
ECサイト制作で補助金を申請するためには上の条件に当てはまっているかどうか確認しましょう。
複数社連携IT導入類型
複数社連携IT導入類型とは、10社以上が連携して対象のITツール(キャッシュレスシステム・整体認証システム・AIカメラなど)を導入したり、専門家に相談したりする費用を補助してくれる枠です。
連携している企業の数によって補助金の金額が決定されます。
補助金の上限は3,200万円です。
補助対象となる費用(例)
- 会計ソフト
- 受注ソフト
- 発注ソフト
- ECソフト
- 消費行動分析費用
- 事務費
- 旅費
など
商流インボイス対応類型
商流インボイス対応類型とは、生産性向上のためにインボイス制度促進を目指しITツールを導入する場合に必要な費用の補助が出る枠のことです。
インボイス制度対応の受注・発注機能を有するソフトウェア費用・クラウド型のソフトウェアなどが申請の対象となり、補助金は最大で350万円です。
セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠とは、サイバーアクシデントによる被害を低減させることを目的としてITツールを導入した場合に支給される補助金の枠のことです。
補助金は5~100万円で補助率は50%です。
申請対象
「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っているサービス、かつIT導入補助金事務局に登録されているサービス
このように5つの枠に分かれている申請枠ですが、ECサイト制作費はデジタル化基盤導入枠に含まれるので、この枠についてしっかりと理解していきましょう。
では、次に補助金給付までの大まかな流れをご紹介します。
IT導入補助金交付までの流れ
補助金は申請してから交付までにある程度の時間が必要です。
時間にゆとりをもって準備をしておくとスムーズに進められるでしょう。
- 申請手続き(2週間~1ヶ月)
- 審査結果(手続き後、約1ヶ月)
- ECサイト制作
- 実績報告
- 補助金交付(実績報告後、約1ヶ月)
補助金交付まではこのような流れで行います。
申請手続き・IT導入事業者選定などにも時間がかかるので、余裕を持ったスケジュールで進めるのがおすすめです。
IT導入補助金の申請の流れ
これからIT導入補助金の申請の流れをご紹介します。
1.補助金についてしっかりと理解しよう
まずはIT導入補助金について理解しましょう。
応募枠や内容など公募要領をよく読んで確認することが大切です。
ECサイト制作費用を申請したい場合は、デジタル化基盤導入枠をチェックしましょう。
2.「ITツール」と「IT導入支援事業者」を選ぼう
補助金は「IT導入支援事業者」を通して行います。
補助金についてある程度理解したらIT導入支援業者を決定しましょう。
IT支援事業者が決まったら、一緒に導入したいITツールも決めます。
IT導入支援事業者を通して申請を行わないと申請できないので注意が必要です。
3.アカウントを取得しよう
補助金申請のためにアカウント(「gBbizDプライム」)を取得しましょう。
アカウント取得は2週間ほどかかります。
申請期限ぎりぎりにアカウント取得すると申請に間に合わない可能性もあるので、時間に余裕をもって行いましょう。
4.みらデジを受けよう
みらデジとは、中小企業庁が行う中小企業・小規模企業のデジタル化をサポートする制度のことです。
2023年度申請からみらデジが新たに加わりました。
IT導入補助申請のためにはみらデジによって経営状況の確認を受ける必要があります。
5.交付申請しよう
いよいよ交付申請スタートです。
IT導入支援事業者の支援を受けながら申請ページより申請を始めましょう。
申請の流れは以下のような流れです。
- 申請ページな必要な情報(申請者氏名など)を入力する
- 交付申請に必要な情報を入力し、書類を添付する
- IT導入支援事業者がこれから導入しようと思っているITツール・事業計画を入力する
- 申請マイページより入力内容を確認する
- 申請への誓いを行う
- 事業所に提出する
6.発注しよう
交付決定の連絡をIT導入補助金事業局から受けたら、ITツールを発注します。
発注後、契約・支払いも行いましょう。
交付連絡の前に発注すると補助金の交付はされないので、必ず交付決定の後に発注をしましょう。
7.事業の実績を報告しよう
補助事業が完了したら、ITツールの発注・支払い・契約を証明する書類を提出します。
- 申請者が申請マイページから事業実績報告に必要な情報を入力する
- IT導入支援事業者が必要情報を入力する
- 申請者がIT導入補助金事務局に事業実績報告を提出する
8.補助金の申請手続きをしよう
内容確認が終了したら補助金が交付されます。
補助金額確定後、申請マイページから補助金額の確認が可能になります。
9.事業実施後の報告をしよう
ITツールを導入してどのような効果があったのかについての報告書を提出します。
そして、IT導入事業者の確認後に申請マイページから必要な情報を入力します。
このような流れで申請を行います。
やらなければいけないことが多いため、よく分からないという方も多いでしょう。
そのような方はその都度IT導入支援事業者に確認しながら申請を進めていくようにしましょう。
では、次に2023年度「IT導入補助金」申請スケジュールをご紹介します。
2023年度「IT導入補助金」申請スケジュール(デジタル化基盤導入枠)
2023年度のIT導入補助金申請スケジュールが発表されました。
締め切り日や交付決定日などが発表されたので確認して申請準備をスタートしていきましょう。
1次締め切り(受付終了)
締め切り | 2023年4月25日(火) |
---|---|
交付決定予定日 | 2023年5月31日(水)17時 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日(木)17時 |
事業施報告期限 | 2023年11月30日(木)17時 |
2次締め切り(受付終了)
締め切り | 2023年5月16日(火) |
---|---|
交付決定予定日 | 2023年6月21日(水)17時 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日(木)17時 |
事業施報告期限 | 2023年11月30日(木)17時 |
3次締め切り
締め切り | 2023年6月2日(金) |
---|---|
交付決定予定日 | 2023年7月11日(火)17時 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日(木)17時 |
事業施報告期限 | 2023年11月30日(木)17時 |
4次締め切り
締め切り | 2023年6月20日(火) |
---|---|
交付決定予定日 | 2023年8月1日(火)17時 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日(木)17時 |
事業施報告期限 | 2023年11月30日(木)17時 |
5次締め切り
締め切り | 2023年7月10日(月) |
---|---|
交付決定予定日 | 2023年8月22日(火)17時 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日(木)17時 |
事業施報告期限 | 2023年11月30日(木)17時 |
6次締め切り
締め切り | 2023年7月31日(月) |
---|---|
交付決定予定日 | 2023年9月12日(火)17時 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日(木)17時 |
事業施報告期限 | 2023年11月30日(木)17時 |
【参照】事業スケジュール
※スケジュールは随時更新されています。
IT導入補助金の注意点
では、次にIT導入補助金の注意点をご紹介します。
ECサイトリニューアルでは交付されない
ECサイトは新規で制作した場合のみ補助金申請ができます。
リニューアルのための費用としては申請ができないので注意しましょう。
スクラッチ開発は対象にならない
スクラッチ開発によってECサイトを制作する場合はIT導入補助金の対象外になるので注意が必要です。
スクラッチ開発とはベースのない状態からECサイトを制作することを言います。
ベースがある上にECサイトを制作した場合が申請の対象になるということを理解しておきましょう。
ASPは申請対象になる
ASPというサービスを利用してECサイトを制作した場合も補助金申請の対象となります。
ASPを利用すると比較的安い費用でECサイトを作成することができるのでおすすめです。。
【ASPサービス】
- Shopify
- BASE
- STORES
- MakeShop
- EC-CUBE
- カラーミーショップ
ASPを利用してECサイト制作を行いたい事業主の方は、ASPを扱うことができるIT導入支援事業者を通して申請・ECサイト制作を行いましょう。
IT導入支援事業者を通じて申請する
IT導入補助金を申請する際には、IT導入支援事業者に相談しながら申請を進める必要があります。
IT導入支援事業者は申請手続きからITツール選択までサポートを行ってくれる業者です。
IT導入支援事業者によって審査の通過率が異なるため、支援事業者を選ぶ際には、審査通過率が高い業者を選ぶようにしましょう。
申請は1枠1回まで
IT導入補助金の申請は1つの枠に対して1回までと決まっています。
例えば、A・B類型(通常枠)で1回、デジタル化基盤導入枠で1回ということです。
ちなみに、1度審査が通らなかった場合に再度同じ枠で申請することはできるので、申請に通らなかった場合は、通らなかった原因を把握し、改善した上で、再チャレンジすると良いでしょう。
複数の枠で申し込むと審査で減点対象となることも
一人の申請者が複数の枠で応募してどちらかの枠が審査を通過した場合は、もう一方の審査で減点対象となることがあります。
つまり、通常型・デジタル化基盤導入枠の両方に申請し、通常型で審査が通った場合は、デジタル化基盤導入枠の審査時に減点となり審査が通りにくくなるということです。
また、前年度交付を受けた申請者は次の年度で申請に通りにくいということもあるので注意しましょう。
審査がスムーズに通らないことがある
IT導入補助金は審査を通過するのが難しい補助金の1つです。
審査通過が難しい理由は、採択される企業数が予め決まっているからです。
実際に審査が通過しなかった企業も多くあります。
補助金が支給されるという前提で事業計画をスタートしてしまうと、もしも審査が通過しなかったときに支障が生じてしまうことがあるので、審査は絶対に通るものではないという気持ちで申請をしましょう。
補助金の給付は申請してから時間がかかる
IT導入補助金の申請には時間がかかります。
申請自体にも約1ヶ月、申請結果が出るまでにもまた約1ヶ月、その後ECサイトを制作して、また交付までに1ヶ月と申請から交付まで半年くらいかかる企業も多いです。
補助金交付までには多くの時間がかかるということを理解してスケジュールに余裕をもって進めましょう。
また、交付金は後払いのため補助金給付までの間はご自身で立て替えてお支払する必要があるので注意しましょう。
賃上げ計画達成しなければ返金もある
審査に通過して補助金が交付されても賃上げ計画が達成されなかった場合は返金しなければならないこともあります。
補助金を支給してもらった際には、賃上げ計画を実際に実行しましょう。
では、次に申請が通りやすくなるためのポイントをご紹介します。
申請が通るためのポイント
実際に審査に通過する企業は約50%です。
申請した企業の半分は審査に通らないということを理解しましょう。
審査通過のためにはいくつかのポイントがあります。
加点項目に注目しよう
加点項目とは、業務種別・業務項目のことです。
以下の点に注目しましょう。
具体的には…
- 地域経済牽引事業計画で承認を得る
- 地域対応牽引企業として認められ、経済産業省に「目標」を表明する
- 事業計画の一つに賃上げ計画を掲げ、従業員に示す
上の3つのポイントに当てはまっているかどうか申請前に確認しましょう。
3つのポイントの中で最も重要なのが「賃上げ計画」です。
次に賃上げ計画についてご説明します。
賃上げ目標に注目しよう
賃上げ目標とは、従業員の賃金をUPするための目標のことです。
IT導入補助金申請で大切な目標は、「ITツール導入によって生産性を向上させ、従業員の賃金UPにつなげる」という点です。
具体的には…
- 事業の計画期間中に給与総額を年平均1.5%上昇させる
- 事業の計画期間中に事業内での最低賃金を30円以上(地域別最低賃金の)にする
上記2点に当てはまっているかどうか申請前にチェックしましょう。
このようなポイントに注目して申請すると採択率は上がります。
では次にECサイト制作で申請できる他の補助金をご紹介します。
その他の補助金
ECサイト制作で申請できる補助金はIT導入補助金のだけではありません。
他にもいくつかの補助金があるので、これから確認していきましょう。
下記の3つの補助金をご紹介します。
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が作成した持続的な経営計画に基づいた取り組みや業務効率化を支援することを目的としています。
対象 | 小規模事業者(数人~20人以下)かつ特定非営利活動法人 |
---|---|
補助枠 | 通常枠:最大50万円で経費の3/2の金額 |
事業再構築補助金
コロナによって経営ダメージを受けた中小企業を支援することを目的としています。
対象 | コロナによって影響を受けている事業主 ※コロナ以外の影響で売り上げが下がった事業主は対象になりません |
---|---|
申請条件 | コロナによって影響を受けた事業主 中小企業は最低150万円以上支出が必要な事業計画を推進している |
補助枠 | 最大1億円で経費の3/2の金額 |
<例>
コロナによって経営ダメージを受けた居酒屋が、オンラインで宅配業務をスタートした場合のオンライン業務に必要な経費などが申請対象となります。
ものづくり補助金
新しいサービス・試作品の開発などのために設備投資をする事業主を支援するのが目的です。
申請条件 | 3~5年の事業計画を立てて実行する企業 |
---|---|
補助枠 | 中小企業:1,000万円、経費の2/1 小規模事業主:1,000万円、経費の2/3 |
上記でご紹介した補助金以外にも、自治体・商工会の補助金もあります。
お住いの地域の補助金や商工会の補助金についても調べてみてはいかがでしょうか。
イーモジャパンでのI T導入補助金支援サービスによる事例紹介
化粧品メーカー
開発内容 | 自社ネットショップの構築 |
---|---|
申請の背景 | 実店舗での販売と卸販売がメインだったが、コロナ禍で売上が減少した為、自社ネットショップを構築して売上の軸を増やす |
課題 | ネットショップを開設しようにもコストがかかることで二の足を踏んでいました。また開設した後にちゃんと売れるのか、どのようにすれば良いのか不安がありました |
費用/補助額 | 制作費用:200万円 補助額:140万円 実質負担:60万円 |
お客様の声 | 当社は化粧品メーカーとして10年以上の実績がございますが、実店舗での販売と卸販売がメインでしたので、コロナ禍で売上が減少した為、自社ネットショップの開始を考えました。 なるべくコストを掛けずに依頼先を探していたところ、イーモさんへ補助金のお問い合わせをしました。 費用を抑えたかったので、約70%補助されたのはとても助かりました。 次はインフルエンサーを使用したブランディングも考えているので、イーモさんに相談しようと考えてます。 |
食品メーカー
開発内容 | 楽天市場の新規構築 |
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申請の背景 | 楽天市場に出店を考えていたのですが、初期で費用が思っていた以上にかかるため、補助金等を探していたところECでつかえるIT補助金に行き着きました。 |
課題 | 楽天市場で販売したかったが、構築の仕方や販売方法などの知見がありませんでした。 |
費用/補助額 | 制作費用:100万円 補助額:70万円 実質負担:30万円 |
お客様の声 | 楽天市場を始める前は、自社サイトのみで販売をしてました。なかなかアクセスが伸びず悩んでいたところ、イーモさんへ連絡をしました。それから補助金も無事採択され構築をして頂き、楽天市場で販売を開始し月商も70万円を超えたので驚いてます。 補助金後も楽天市場のコンサルティングもして頂いているので、この調子で売上拡大していきたいです。引き続き宜しくお願いします。 |
まとめ
ECサイト制作には多くの費用が掛かります。
この費用を補助してくれるのがIT導入補助金です。
IT導入補助金には複数の対象枠がありますが、ECサイト制作で補助が支援される枠はデジタル化基盤導入類型と複数社連携IT導入類型です。
ただし、一般的に申請しやすいのがデジタル化基盤導入類型なので、こちらの類型について理解するようにしましょう。
IT導入補助金を申請できる対象にはあらゆる規定があり、ECサイト制作はIT導入支援事業主を通して行う必要があります。
ちなみに、IT導入支援事業者によって扱っているITツールや申請通過率に違いがあります。
申請者の目的に合った事業者を選ぶようにしましょう。
また、申請には時間がかかり、申請はスムーズに通過しないこともあるので、ある程度時間に余裕をもって申請を行いましょう。
申請対象・申請の流れなど少しややこしいかもしれませんが、申請が通ったら最大450万円まで支援してもらえる制度なので、しっかりと理解して利用するのがおすすめです。
イーモジャパンでは、IT導入補助金を活用したECサイト制作支援など行っております。
もちろん制作だけではなく、制作後のECサイト運用支援まで幅広く対応しております。
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